思い出の写真、学びの写真
写真の赤ちゃんは、私がアシスタント時代に練習で作ったリボーンドールである。写真の女の子はもちろん人形ではないが、まるで妖精のように美しい。
私の先生は、映画撮影用のリボーンドールも制作していた。今は、映画撮影用のリボーンドールのみを制作している。
この写真は、先生のリボーンドールの撮影時に先生の計らいで私のプラクティスドールを記念撮影してくれたものであるが、私はこの写真を見てこの粋な計らいを知った。
初めて写真を見た時は驚きと感激のあまり「Thank you」の言葉も出ないまま先生に飛びついてハグをした。そして先生が「このモデルの子、あなたの赤ちゃんをすっかり気に入ってしまって、連れて帰ると駄々をこねたのよ」と笑いながら話してくれた。
ところで、私はこの写真を見て「お肌の透明感」について気になった。そして「お肌の透明感はどうして出すのですか」と質問した。
先生はこうお答えになられた。「自然光の下で色付けするの。違った時間帯と場所で自分の作品を観察しなさい」。そういえば、先生のアトリエの窓はとても大きく、ご自分の作品をバルコニーで時々眺めていたことを思い出した。そして、アトリエの電球の選び方と色付けの技法についてもお話してくださった。
透明感ある美しいお肌に仕上げるには、まず色付けをする環境がとても大切である。私のアトリエの窓は西側にあるため、午後になるとしっかりブラインドを閉じるようにしている。
ブライドを閉める時、一瞬想像することがあるの。それは「新しいアトリエ」。夢が叶う日を楽しみにしている。